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シリアナ〜列強に蹂躙される属国

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(写真は2014年のウクライナ・キエフ)

 

「シリアナ(原題: Syriana)」は、スティーヴン・ギャガン監督による2005年のアメリカ映画で、「シリアナ」とはシリアとイラクとイランが民族国家を形成したという想定上の国家のことです。

2005年ですから、2001年の9.11同時多発テロ後の映画ですね。舞台はソ連崩壊後の世界で、最大の敵国を失ったアメリカの中央情報局(CIA)は自らの存在意義を失い、それぞれの部署が勝手に存続を図るような集団になって、世界を舞台に策謀を巡らすようになっていました。 

物語の中では何人かのキーパーソンのストーリーが並行しながら進行していきます。

CIAのベテラン工作員は、息子の大学進学を機に前線から引退する決意をしますが、組織から中東亡国における今回の作戦に就くよう要請され、再び中東に赴きます。

エネルギー業界のアナリストは、息子を亡くす不幸な事件を機に、王位継承者である第一王子の相談役に就任し、イランを経由したパイプラインでの輸出を進言します。

その第一王子はアメリカに依存しない国の在り方を模索し、天然ガスの掘削権を中国に与えることを考えていました。

しかし、それによって権益を失うアメリカのエネルギー企業は、弁護士事務所を使って王子の弟を取り込み、第一王子を排除しようと画策。CIAもこれに乗ります。

一方、パキスタンからの出稼ぎ労働者の青年は、自身が通うイスラム神学校で親切にしてくれる男と出会い親交を深めますが、それはテロリストとしてスカウトされるプロセスでした。

以上のように、さまざまな登場人物がそれぞれの利益や思惑で暗闘跋扈し、中東はそれによって翻弄される様子が描かれています。

 

これは映画の中のお話しだけではありません。現在のアルカイーダやISISなどのテロ組織は、それを裏から支援する国の思惑によるものですし、またその思惑から離れて勝手に動くようになったり、統率や制御ができなくなっています。

アメリカの中にも様々な勢力があり、それぞれの利益思惑や敵の敵は味方という考えからイスラエル、サウジ、イラン、ロシアなどの国や勢力と手を組んだり、あるいは敵対したりしながら暗闘しています。

一方、自分の国を命運を自分で決めることができず、外部の様々な勢力に介入されて内戦状態に貶められるということがいかに悲惨なことなのかは、現在の中東やウクライナを見ればわかるでしょう。自分達の意志で戦争を止めることができないのです。自分の国の命運を自分たちで決定できる国が「列強」と呼ばれる国々で、その他の多くの国はそれら列強の都合に翻弄され、時には代理戦争の戦場にされます

私たち日本人は、これを遠い国のことだと、半ば他人事に考えています。しかし、日本もまたこのような舞台にさせられるということは十分起こりうることなのです。これまででいえば、明治維新時や第二次世界大戦後は日本も内戦や分割の危機にありました。それを免れて一国の体制を保てたのは、ひとえに幸運だったからです。

しかし今度はどうでしょう。国民が知らない間に、列強の都合に巻き込まれ、愚かな指導者に煽動されて、内戦〜分断されるかもしれません。それもすべて国民が勇気がなかったがゆえの結末です。「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として。二度目は喜劇として」という言葉がありますが、ドイツは二度の敗戦で懲りて現在があります。琉球はヤマトに支配され、アメリカに支配されたので今回は本気です。日本はどうでしょう。もう一度敗戦しなければ目覚めないのでしょうか。原発ももう一度爆発しないと気づかないのでしょうか。朝鮮半島が分断国家だったように、次は日本が分断国家の悲劇を味わうことになるかもしれません。

 

  

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